玄挽の十割と外二

水曜日は、
お蕎麦の日。

この日のお蕎麦は、久しぶりに「黒いお蕎麦」が打ちたくてお取り寄せした、三宅製粉さんの「玄挽」。

蕎麦打ちに興味を持つことになったのは、高山製粉さんの「玄挽」との出会いがきっかけなのですが、もっといろんな玄挽に出会いたいと探しているときに出会ったお粉がこちら。
その中でも極めて黒く、食感でも殻の粒感を感じる、まさに「記憶に残る」お粉です。

製粉所のおすすめ。

香りと食感のアクセントとして、特選や白菊など他の粉をベースに
1割から2割ブレンドする使い方をおすすめします。
1割ブレンドでもその刺激的な存在感は十分、
インパクトのある蕎麦で食べる人を驚かせます。

出ましたね、「ブレンドにおすすめ」のお粉。
……それを十割で打っていました(笑)
(よくあることです!)

このお粉とは、これで2度目。
そして、2度目にして「これ、ブレンド用かもしれない?」と疑念を抱きましたが、まさにその通り?
この投稿を書きながら、認知しました(汗

実のところ、「玄挽」という文字しか見ていませんし、ソバ粉として販売されているものだったら打てると思い込んで対峙しますし、そのうえ、それなりに麺状になってくれるので、何も考えていないんですよね。

お粉の観察。

手元にあるフルイにかけると、高山製粉さんや霧下そば本家さんの透明度の高い「玄挽」に比べると落ちづらく、ギュっと握ると固まらないことはないので、ガサガサだけど「外層が多いのかな?」というのを感じます。
いっぽうで、フルイに残るのはかすかだったので、粒子ムラは少なそう?

外層が多いお粉は、わりと打ちやすかったりするのですが、先日打った柿沼製粉さんの「挽きぐるみ あら挽粉(ブレンド向き)」のように、外層粉が多いようで一切まとまる気のないお粉もあるので、
「打ってみなくちゃわからないb」

握ると固まるものの、モロっと崩れるくらいサラサラ

これを、今回は十割と、計算しやすい外二で打ち、つなぎの効果も楽しみながらいただきます。

製粉所の説明でも、
「殻ごと挽き込み、食味に適さない粒を取り除いた極粗挽きの全粒粉」
「二八にするなら、細く長い蕎麦は望めません」
とあるので、なかなかの”堅物”そうです♡

十割

配合十割 300g
加水率57〜60%(?)
くっついてもいいよって言ってくれるまで?
延し65×30cm
(約2.0mm厚、このあたりが限界そう…汗)
切り1寸10本くらい?
メモ柿沼製粉さんの「挽きぐるみ あら挽粉(ブレンド用)」と似ている。けれど、もう少し聞き分けがいい粉。
一方的に練ろうとしたり、延そうとするとコッパな未来が待っているので、ソバ粉に合わせるのがダイジ。
切るときも、押し切りすると粒子がズレてコッパるので、上から垂直に刃を落として裁断するようなイメージ。

外二

配合ソバ粉300g+つなぎ60g =360g
加水率52%(187g)
延し65×38cm
(約1.8mm厚)
切り1寸17本前後?
メモつなぎを入れた途端に、くっ付きたがらない粉たちがとても素直に。
モッチリ、フンワリ。

お粉との対峙。

香りがいいですね〜!
ナッツのような甘い香り、そして水回しを始めると、殻を多く含むお粉によくある”地下室の香り”が漂います。
これは、おいしいお粉!と期待させる香り。

十割は「いけるかな?」と思い、高山製粉さんの「玄挽」でおすすめされる「Gショック一気加水法」で打ちましたが、
「これはやばい!」となり(笑)
外二の方は、自己流で辿り着いた粗挽粉の最適解、「浸水させる方法」を使って打ちました。

あらかじめ吸水させたソバ粉に、残りの粉を入れて水回しへ。

以前打った、大和卯月さんの「危険なそば粉」も同じ方法で打っていますが、粗い粉を吸水させてから打つものです。
このとき大事なのは、「粉に水」ではなく、「水に粉」をふるい入れることです。
天ぷらの衣や、ナポリピザの世界一をとった牧島シェフのピザ生地づくりから応用してみた方法ですが、科学的には、粉がダマにならず均一に吸水されるようです。

練りは、もっちりもっちり。
でも、石みたいで、水を含む気配が感じられない。
ベタベタ感はないように思うので、外層〜甘皮が大きめの粒子で揃っているのかな?
わかりません(笑)

粗い粉が水をまとっただけ、みたいな状態で粘り気はないので、写真のように滑らかなシワはないし、ところどころヒビが入ります。

粗い粉がシブシブと手を取り合ってくれているので、強引に延そうとするとプイっとされてヒビ割れ必至です。粗挽き全般に言えることだと思うのですが、丁寧に地固めをするように延していきます。

十割は、これ以上延すとコッパな未来しか見えなかったので約2mm厚で止め、1寸10本前後に。

外二は、約1.8mm厚、1寸17本前後、
つなぎが入って延しやすくはなったものの、粒子がキツくこのヒビ割れ感。
玄ソバ、さらに粗挽きときたら、やっぱり、細めを攻めたくなってしまいますよね〜
でも、これ以上は攻め切れませんでした(笑

吸水がうまくいけば、もう少し滑らかに打てる気はするんですが…!
気がするだけです(_ _)

いざ、実食。

う〜ん、
無数の蕎麦殻の粒が生み出すこの黒さ。
そして、視覚を裏切らないザラみ!

「ほしを目だけでなく、食感でも味わうことができる(HPより)」
いいことおっしゃいますね、まさにその通り!

こころなしか、十割の方が色が濃く、外二はやや淡いように見えます。
つるみは外二のほうがいいのですが、ここまでザラみが強いと、十割のほうが「この蕎麦らしさ」が存分に味わえそうです。

“ブレンド向き”とされる粉の中でも、蕎麦切りとして楽しめるお粉とそうでないものとあるように思いますが、「玄挽き」はソバのキャラクターを楽しめるお粉のように思います。

このソバ粉は…、

「星」を視覚と食感で味わう、野趣溢れる玄挽。
十割は難しくても、蕎麦という穀物を頂く満足感がある。
白に対する黒として、選択肢に入れたいソバ粉。

今日も、思う存分、いただきました♡

付録:
お伴のお料理。

【小鉢】春菊と椎茸の里芋和え
【主菜】秋鮭と松茸の信州経木焼き
【煮物】巾着豆腐 牛大和煮 焚合せ

〈うつわ〉
小鉢:杉本 祐
煮物:藤ノ木陽太郎 絵唐津四方向付
主菜:山本長左 牡丹に獅子の図 焼物皿
十割蕎麦:塩鶴るり子
外二蕎麦:不明
すだれ:公長齋小菅 そばすだれ 16.5cm