翌週に控えた、お蕎麦会のための練習。
使うかどうかは、わかりません。
| この日の配合 | 250g [フルイ分け]粗130g:細120g |
| 加水率 | 粗粉に130g吸水(加水率52%) 細粉を合わせて+30g のべ160g(64%) |
| 延し | W200×H720mm →約2.3mm厚 1寸約12〜13本 |
| メモ | 打ち方、麺の太さについては、ひきつづき要考察 |
前日の仕込み
ソバ粉を、粗い粉と細かい粉に分ける。
今回は、250gのうちおよそ130gの粗粉。
ソバ粉のおよそ半分の水を用意し(今回は52%の130g)、粗粉を入れ、1日吸水させます。
ゴムベラがあると便利です。

吸水させた粗粉に、分けておいた細粉120gを全体にふるい入れ、水回しをします。
今回、スケッパーを使って、切りながら練り込んでみましたが、なかなかよさそうです。

細かい粉の粘着力のおかげで、なんとか滑らかな塊に。
もう10ccほどお水を入れてあげると、もう少し滑らかになるかも?しれません。



今回は、20×72cmに延し、ざっくり切ってみました。
質量が蒸発分を差し引いて400gだとして、
400g÷1.2𝑥÷144(面積)=2.3148…mm厚
およそ1寸12〜13本で切った感じです。
つながるところとコッパになるところとあり、
水回しの問題ではなく粒子によるものだとすると、2.3mm角が限界値のような感触をうけました。
もっと安心して打てる条件が見つかるといいのですが…、
手挽メッシュの
最適な麺の太さを考える。
手挽メッシュのお蕎麦を例えると、葛餅の中にゴマが飛び散ったような状態だと思うのですが、
細かい粉は水と混ざると、粗い粒の隙間を埋めるように広がります。
食品材料学では、このような微粒子の分散が食品構造の安定に関係するそうで、
そういったざっくりイメージで掴んでいる情報を元に、考察していきます。
1. 粒子サイズと構造の厚み
パンやパスタをはじめとする穀物食品の食品材料学では、
粒子サイズに対して構造厚みが小さすぎると破断しやすくなるそうです。
そのため、粒子を含む食品構造では、
粒径の数倍以上(目安として3〜5倍)以上の厚みが必要とされるみたいです。
今回の手挽メッシュは公開されていませんが、
見た印象からおよそ 20メッシュ前後と仮定すると、
20メッシュを通過する粒子は約0.8mm程度。
この粒径に対して3〜5倍の厚みを取ると、
約2.4〜4.8mm程度の厚みが、一つの目安として考えられそうです。
<参考>
種谷真一(1997)「食品物性と構造」日本食品科学工学会誌
Aguilera, J.M. & Stanley, D.W. (1999) Microstructural Principles of Food Processing and Engineering
Morris, E.R. (2004) Food Polysaccharides and Their Applications
2. 麺の断裂と曲げ応力
麺が折れる原因の多くは、曲げによる応力だといわれます。
材料力学では、断面が大きいほど曲げに強くなるため、
麺は太いほど基本的には折れにくくなります。
しかし蕎麦の麺は、棒のような剛体ではなく、
しなりながら力を逃がす細長い構造です。
厚くなるほど曲がりにくくなるため、
曲げが起きたときに力が一点に集中しやすくなります。
このため、
粒を包める厚みを確保しつつ、しなりを保てる断面が必要になります。
麺の断面比は
厚み:幅=1:1.5〜2程度
の範囲が扱いやすいとされる例もあるようです。
<参考>
Gere, J.M. & Goodno, B.J. (2012) Mechanics of Materials
3. 茹で工程と断面形状
麺を茹でるときには、水分の吸収、温度上昇が同時に起こります。
断面が厚い場合、表面と中心の温度差や水分移動の差が大きくなりやすく、
加熱の均一性が低くなります。
食品工学では、断面が薄い形状の方が熱伝達が均一になりやすいことが知られています。
そのため、
必要以上に厚い麺よりも、薄めの断面の方が安定した加熱になりやすいと考えられそうです。
<参考>
Fellows, P. (2017) Food Processing Technology
導き出される目標値
1. 粒子が収まる厚みが必要
2. 曲げ応力を抑える
3. 茹でるときの熱の差を減らす
この条件を満たす形状として
「厚みを抑え、幅を広げた長方形断面」が導き出せそうです。
ゴワゴワの粒子の粗い蕎麦で平打ちが多いのは、こういう理由からでしょうか?
厚みと幅については、
粒の径を0.8mmと仮定した場合、
厚さを2.4mmを基準にすると、幅は2倍の4.8mm。
延しべらに換算すると、1寸6本くらい。
今回は、この値を仮の目標として、
どのくらい安定してつながるのか、次回試してみたいと思います!




